書籍: オオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか
作者: 山田 健
出版社: 集英社インターナショナル
世界の農地や放牧地、森林で毎年推定240億トンもの土壌が失われている!?
土壌の豊かさは人間の暮らしに直結します。
過去の文明は、豊かな土壌に恵まれて勃興し、土壌を略奪しつくして滅亡しました。
そして現在、地球上全体の土壌は危機的な状況にあります。
世界の農地や放牧地、森林で失われている土壌は、毎年推定で240億トン。
一人あたり、実に3.4トンもの土壌が消えているのです。
多いですよね。
いったいどうすればよいのでしょうか。
そこでこの本です。
生態系ピラミッドという生物間の食物連鎖の関係性を表した図があります。
サントリー「天然水の森」の総責任者である著者は、生態系ピラミッドの根底にある土壌こそが 全ての生物を育む源であり、その土壌を豊かにするには生物の多様性が重要であると語ります。
つまり土壌を守り育てるためには、多様な生き物があふれる生態系ピラミッドの再構築が不可欠なのです。
でも、地球上の生態系ピラミッドは、いまや絶滅種で歯抜け状態です。
この本では、すべての生き物たちの未来を守るために、森で、農地で、都市で、今何ができるのかを具体的に探っていきます。
もちろんそこには人間も含まれます。
それは日本の森林や田畑に豊かな生態系を取り戻すことで訪れるであろう、素敵な未来へのスケッチ。
これからできることは、まだまだたくさんあるのです。